阪神・淡路大震災体験談②
⬛️空から降る黒い雪
震災発生して4時間が経過。
オトンはまだ帰って来ない。
家の裏にある高台の公園に行くと近所の人も多く集まっている。
「長田の方は壊滅状態や!」
「阪神高速が倒れているらしいで」
「水とガスも止まっている」
など不安をよぎらせるネガティブな情報交換を行なっている大人たちの話声が聞こえる。
うちの家は辛うじて震災後2時間で途切れ途切れながら電気が復旧していたのでテレビから情報を得る事ができていた。
震源地は淡路島。
この高台からは、遠く向こう側に震源地が見える。
そんな垂水の街はなんら変わりない風景に見えた。
空を見上げたら、黒い物体がヒラヒラ舞い降りる。
ん、、、空から黒い雪が降ってきたのか?
違う、、これは黒いススだ。どうやら長田の街から風に乗ってやってきたらしい。
「長田の街が燃えてる。長田からススが風に乗ってここまできてんねん」って大人達は話している。
どうやら月見山から東(東須磨、板宿、長田、兵庫辺り)は壊滅的な被害があったらしい。
月見山より西(垂水区、西区、須磨区の一部)は揺れが弱く被害が少ない事がその時わかった。
あの揺れよりもキツイやつ喰らったんか?
って考えると恐ろしい。
灘区に親戚いるけど大丈夫か?オトンは兵庫区の海の近くに会社あるけど大丈夫か?なんて事が頭の中を駆け巡る。
この高台の公園‥めっちゃ寒い。
続く
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