阪神・淡路大震災体験談③
⬛️震災から1日目の夜
兵庫区に会社のあるオトンは10時頃に車で帰ってきた。
生きていてよかった。
オトンは涙ながらに帰り道で見た惨状を語る。
「長田らへんは家がペシャンコなっている」
「火事になっている火を何個も見た」
「道も隆起してデコボコで怖かった」
「走れる道を探り探り帰って来た」
などなど、とても危険な場所を命がけで帰ってきたのが分かった。
「コンビニに行ったら店員が商品を店の前に並べて持っていってくださいって」
おにぎりが4つと菓子パンが2つ
これをもらってきたみたいだ。
部屋の片付けをしていたら気づけば、震災から7時間程経過していた。電話で親戚などの安否は取れた。幸運にもうちの家で大きな被害にあった親戚はいなかった。
明日からの学校もオトンの会社も先は全く見えない。
そもそも電気は復旧したがガスと水道は一向に復旧のメドが経っていない。
そして寒い夜を迎える。
余震は続く。その日ばかりは家族で固まってリビングで寝た。
続く。