阪神・淡路大震災体験談⑤
⬛️ス一パ一で食料品の調達
震災から3日目。食料品を買う為に地元のス一パ一に行く。
もちろん数台しか無い駐車場は停車できるわけもなく歩いて向かう。
地元のス一パ一は人でごった返していた。入り口に入るのも時間がかかるほどの長蛇の列。ようやく自分達が入店できたが棚に食料品はほぼなく、探して手に取れたのは板チョコと挽肉のみ、、レジで会計を済ませて帰宅。気づけば3時間も経っていた。
今考えれば物流もマヒ状態で商品も入らない状況で地域の方の為に必死で営業してたんだと思う。みんなで助けあってなんとかしようとしていたんだなって思う。
ちなみにしばらくして物流が少しずつ復旧してくるとス一パ一に商品は戻ってきました。
自分の住む垂水は直接的な被災地ではないので
その辺は恵まれていたようです。
⬛️ガスも水道も止まっている生活
垂水区は神戸市だが被害は須磨区や長田区ほどではなく生活に必要なガス・電気・水道などは早くに復旧された。ガス管の亀裂による自衛隊出動騒動は稀にあったがその辺は恵まれていた。しかし、自分の住んでいた地域は垂水だがガス水道は隣接する須磨区のラインにあるため復旧が2カ月〜3カ月遅れた。
「水について」
近くの公園の水道の水は出るのに我が家の水道の水は出ないという残念すぎる状態。生活水を公園に汲みに行く生活を行う。
「ガスについて」
ガスコンロは、日々の生活で欠かせないアイテムになっていた。料理と顔洗うためのお湯に使うのだ。無論風呂は使えないので濡れタオル又は銭湯に通うという生活が続いた。
銭湯はいつもテ一マパ一クばりの長蛇の列。数時間待ちなんてざらの世界でした。そんな時、並ぶのが嫌なオトンが地図で調べて穴場を探し出した。(当時はスマホないので情報が地図とかになる)地図を頼りにたどり着いたのが明石のある銭湯。珍しく並んでいない。穴場や!
そんな期待も入った瞬間に打ち砕かれる。
「背中に龍」「鬼」「鬼」「鯉」「龍」「龍」「龍」!
どうやらこの銭湯は、そっちの方の御用達銭湯であったようだ。お客が少ない理由も分かる。ガチ目刺青は、中3男子には刺激が強すぎました。
ある事が当然と思っているものが無くなると大切さに気づく事ができる。しかし慣れたら忘れがちになってしまう。今一度あの覇王色を見にまとった方達しかいない銭湯を思い出そう。
続く。